一般社団法人の基礎知識

法人の財産に関する基準

15.

他の団体の意思決定に関与することができる株式その他の内閣府令で定める財産を保有していないものであること。ただし、当該財産の保有によって他の団体の事業活動を実質的に支配するおそれがない場合として政令で定める場合は、この限りでない(5条15号)

「内閣府令で定める財産」は,次のとおりです(認定法施行規則4条1号から6号まで)。

  1. 株式
  2. 特別の法律により設立された法人の発行する出資に基づく権利
  3. 合名会社,合資会社,合同会社その他の社団法人の社員権(公益社団法人に係るものを除く。)
  4. 民法667条1項に規定する組合契約,投資事業有限責任組合契約に関する法律3条1項に規定する投資事業有限責任組合契約又は有限責任事業組合契約に関する法律3条1項に規定する有限責任事業組合契約に基づく権利(当該公益法人が単独で又はその持分以上の業務を執行する組合員であるものを除く。)
  5. 信託契約に基づく委託者又は受益者としての権利(当該公益法人が単独の又はその事務の相当の部分を処理する受託者であるものを除く。)
  6. 外国の法令に基づく財産であって,前各号に掲げる財産に類するもの

また,ただし書の「政令で定める場合」とは,株主総会その他の団体の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関における議決権の過半数を有していない場合であるとされます(認定法施行令7条)。

16.

公益目的事業を行うために不可欠な特定の財産があるときは、その旨並びにその維持及び処分の制限について、必要な事項を定款で定めているものであること(5条16号)

ここにいう「不可欠特定財産」とは、法人の目的、事業と密接不可分な関係にあり、当該法人が保有、使用することに意義のある特定の財産をさします。

例えば、一定の目的の下に収集、展示され、再収集が困難な美術館の美術品や、歴史的文化的価値があり、再生不可能な建造物等が該当するとされています。

このような不可欠特定財産は、自由な処分を認めると当該法人の存立目的を失わせることもあるため、当該不可欠特定財産とその維持、処分の制限について、必要な事項を定款で定めることとされています。

公益財団法人の場合には、定款における不可欠特定財産の定めは基本財産の定めも兼ねることになるでしょう。

17.

認定法29条1項若しくは2項の規定による公益認定の取消しを受けた場合又は合併により法人が消滅する場合(その権利義務を承継する法人が公益法人であるときを除く。)において、認定法の規定する公益目的取得財産残額があるときは、これに相当する額の財産を当該公益認定の取消しの日又は当該合併の日から1か月以内に類似の事業を目的とする公益法人若しくは次に掲げる法人又は国若しくは地方公共団体に贈与する旨を定款で定めているものであること(5条17号)

  1. 私立学校法3条に規定する学校法人
  2. 社会福祉法22条に規定する社会福祉法人
  3. 更生保護事業法2条6項に規定する更生保護法人
  4. 独立行政法人通則法2条1項に規定する独立行政法人
  5. 国立大学法人法2条1項に規定する国立大学法人又は同条3項に規定する大学共同利用機関法人
  6. 地方独立行政法人法2条1項に規定する地方独立行政法人
  7. その他アからカまでに掲げる法人に準ずるものとして政令で定める法人
    キの政令で定める法人は,次のとおりである(認定法施行令8条)。
    1. 特殊法人(株式会社であるものを除く。)
    2. 1.の法人以外の法人のうち,次のいずれにも該当するもの
      1. 法令の規定により,当該法人の主たる目的が,学術,技芸,慈善,祭祀,宗教その他の公益に関する事業を行うものであることが定められていること
      2. 法令又は定款その他の基本約款(法令等)の規定により,各役員について,当該役員及びその他配偶者又は3親等内の親族である役員の合計数が役員の総数の3分の1を超えないことが定められていること
      3. 社員その他の構成員に剰余金の分配を受ける権利を与えることができないものであること
      4. 社員その他の構成員又は役員及びこれらの者の配偶者又は3親等内の親族に対して特別の利益を与えないものであること
      5. 法令等の規定により,残余財産を当該法人の目的に類似する目的のために処分し,又は国若しくは地方公共団体に帰属させることが定められていること

公益目的取得財産残額とは、当該公益法人が取得したすべての公益目的事業財産から当該公益法人が公益認定を受けた日以後に公益目的事業を営むために費消し、又は譲渡した公益目的事業財産を除外し、この残余の財産の価額の合計額から、公益目的事業以外の財産で当該公益法人が公益認定を受けた日以後に公益目的事業を営むために費消し、又は譲渡したもの及び同日以後に公益目的事業の実施に伴い負担した公租公課の支払その他内閣府令で定めるものの合計額を控除して得た額をいいます(30条2項)。

公益目的事業を実施するために取得した公益法人の保有する財産は,当該公益法人が公益認定を取り消されたり、消滅するときは、同じ目的のために使用されることが適当ですので、定款でこのような定めを置くこととされています。

18.

清算をする場合において残余財産を類似の事業を目的とする他の公益法人若しくは上記17.のアからキまでに掲げる法人又は国若しくは地方公共団体に帰属させる旨を定款で定めているものであること(5条18号)

上記17と上趣旨の規制です。公益法人が解散する場合には、公益目的事業を実施するために取得した財産が同じ目的のために使用されることが適当ですので、定款でこのような定めを置くこととされています。

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