公益目的事業とは?
公益認定法において、公益目的事業とは、「学術、技芸、慈善その他の公益に関する」一定の範囲の事業であって、その種類は、認定法の別表1号から23号までに掲げる23種類に限られているとともに、「不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものをいう」と規定されています。
認定法別表各号に掲げられている事業は、次のとおりです。
- 学術及び科学技術の振興を目的とする事業
- 文化及び芸術の振興を目的とする事業
- 障害者若しくは生活困窮者又は事故、災害若しくは犯罪による被害者の支援を目的とする事業
- 高齢者の福祉の増進を目的とする事業
- 勤労意欲のある者に対する就労の支援を目的とする事業
- 公衆衛生の向上を目的とする事業
- 児童又は青少年の健全な育成を目的とする事業
- 勤労者の福祉の向上を目的とする事業
- 教育、スポーツ等を通じて国民の心身の健全な発達に寄与し、又は豊かな人間性を涵養することを目的とする事業
- 犯罪の防止又は治安の維持を目的とする事業
- 事故又は災害の防止を目的とする事業
- 人種、性別その他の事由による不当な差別又は偏見の防止及び根絶を目的とする事業
- 思想及び良心の自由、信教の自由又は表現の自由の尊重又は擁護を目的とする事業
- 男女共同参画社会の形成その他のよりよい社会の形成の推進を目的とする事業
- 国際相互理解の促進及び開発途上にある海外の地域に対する経済協力を目的とする事業
- 地球環境の保全又は自然環境の保護及び整備を目的とする事業
- 国土の利用、整備又は保全を目的とする事業
- 国政の健全な運営の確保に資することを目的とする事業
- 地域社会の健全な発展を目的とする事業
- 公正かつ自由な経済活動の機会の確保及び促進並びにその活性化による国民生活の安定向上を目的とする事業
- 国民生活に不可欠な物資、エネルギー等の安定供給の確保を目的とする事業
- 一般消費者の利益の擁護又は増進を目的とする事業
- 前各号に掲げるもののほか、公益に関する事業として政令で定めるもの
公益目的事業といえるためには,当該法人の営む上記の事業が「不特定多数の者の利益の増進に寄与するもの」でなければなりません。
つまり、受益対象者が当該法人の構成員など特定の者に限定されている場合は、これに該当しません。
例えば,同窓会,同好会等構成員相互の親睦や意見交換等を主たる目的とするもの、特定団体の構成員又は特定職域の者のみを対象とする福利厚生、相互救済等を目的とするもの、後援会等特定の個人の精神的、経済的支援を目的とするものなどは、「不特定多数の者の利益の増進に寄与するもの」とはいえないものと考えられています。
もっとも,受益者が特定の者に限られるかどうかは,典型的な場合を除いては相対的なものです。
仮に、直接受益を受ける者が特定の者に限られていても、その受益の効果が広く社会に及ぶような場合には,「不特定多数の者の利益の増進に寄与するもの」に該当する場合もあり得るものと考えられています。その意味では,この「不特定多数の者の利益の増進に寄与する」かどうかの判断は、現実に営む事業(別表の事業)に即して、実質的に判断されなければならない事柄とされています。
公益認定申請においては、事業の公益性を伝えるため論理をしっかりと固めることが最重要事項なります。
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