一般社団法人の基礎知識

事業の目的、性質、内容に関する基準

1.

公益事業を行うことを主たる目的とするものであること(5条1号)

公益目的事業を主たる目的とします。

公益目的事業以外の事業を目的に掲げていても差し支えありません。ただし、主たる目的との関連では、7号(収益事業等を行うことによって公益目的事業の実施に支障を及ぼすおそれがないこと)及び8号(認定法15条に規定する公益目的事業比率が100分の50以上となると見込まれるものであること)の制約があることに注意しなければならないと言えます。

定款で定める法人の事業又は目的に根拠がない事業は、公益目的事業として認められないことがありえますので注意が必要です。

申請時には、認定法第5条第8号の公益目的事業比率の見込みが50%以上であれば本号は満たすものと判断されます。

2.

公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎及び技術的能力を有するものであること(5条2号)

この経理的基礎を有するとは、①財政基盤が明確であること②経理処理、財産管理が適正にされていること③情報開示が適正にされていることをいいます。

技術的能力を有するとは、事業実施のための技術、専門的人材や設備が確保されているこというとされています。

このような経理的基礎及び技術的能力を欠く法人は、公益目的事業を安定的継続的に行うことが困難であると考えられますので、公益法人としては不適切だということです。

3.

当該事業を行うに当たり、社員、評議員、理事、監事、使用人その他の政令で定める当該法人の関係者に対し特別の利益を与えないものであること(5条3号)

公益法人が寄附により受け入れた財産を社員、理事等の法人の関係者や営利事業を営む者等の特定の者の利益のために利用されることが認められると、公益法人に対する信頼が損なわれ、国民からの寄附の停滞を招く危険性があります。

そのような状況をを防止するため、法人の関係者に特別の利益を与えないことが公益認定の基準として設けられています。

この「特別の利益」とは、事業の内容、実施方法等具体的事情に則し、社会通念に照らして合理性を欠く不相当な利益の供与その他の優遇が該当するとされています。また「事業を行うに当たり」の「事業」は、公益目的事業の実施に係る場合に限定されません。

4.

当該事業を行うに当たり、株式会社その他の営利事業を営む者又は特定の個人若しくは団体の利益を図る活動を行うものとして政令で定める者に対し、寄附その他の特別の利益を与える行為を行わないものであること。ただし、公益法人に対し、当該公益法人が行う公益事業のために寄附その他の特別な利益を与える行為を行う場合は、この限りでない(5条4号)

上記3と同じ趣旨の規定です。

公益法人の財産は、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与することを目的として、公益目的事業に使用されるべきものです。公益法人から他の団体等に社会通念上不相当な利益が移転し、受入先において財産を営利事業や特定の者のために使用されることは適当ではありません。

そのような状況を防止するため、営利事業者等に特別の利益を与えないことが公益認定の基準として設けられています。

5.

投機的な取引、高利の融資その他の事業であって、公益法人の社会的信用を維持する上でふさわしくないものとして政令で定めるもの又は公の秩序若しくは善良の風俗を害するおそれのある事業を行わないものであること(5条5号)

公益法人であることは、それだけで社会的な信用が高く、そのために税制上の優遇措置が定められ、寄附などが受けやすくなっています。

したがって、この基準は公益法人制度を維持する上でいわば当然の基準といえます。

「公益法人の社会的信用を維持する上でふさわしくないものとして政令で定める」事業とは、

  1. 投機的な取引を行う事業
  2. 利息制限法違反の利息の約定又は賠償額の予定をその内容に含む金銭貸付業
  3. 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律2条5項に規定する性風俗関連特殊営業

の3つが定められています。

この投機的な取引を行う事業に該当するかどうかは、取引の規模、内容等具体的事情によるとされています。

6.

その行う公益目的事業について当該公益目的事業に係る収入がその実施に要する適正な費用を償う額を超えないと見込まれるものであること(5条6号)

公益法人は、不特定多数の利益の増進に寄与するために公益事業を営む非営利の法人です。

したがって、公益目的事業から剰余金が常に生ずるような状態は望ましくないといえます。

そのため、この基準(収支相償の原則)が設けられています。この収支相償の原則は、公益認定の申請時に必要なだけではなく、公益法人が存続している限り要請されますので注意が必要です。

7.

公益目的事業以外の事業(以下「収益事業等」という。)を行う場合には、収益事業等を行うことによって公益目的事業の実施に支障を及ぼすおそれがないこと(5条7号)

公益法人は、公益目的事業を営むことを主とするものです。

したがって、付随的に営む収益事業等を行うことが、主たる目的である公益目的事業の実施に支障を及ぼすことは本末転倒と言えます。この支障を及ぼすかどうかは、収益事業等への資源配分や事業内容により判断されます。

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