一般社団法人の基礎知識

一般社団法人の理事会の組織・運営

理事会の設置

Q.一般社団法人は理事会を必ず設置しなければなりませんか?

A.必ずしも理事会を設置する必要はありません。

一般財団法人と異なり、一般社団法人の場合は理事会を設置するかどうかは自由に選択できます。

理事会を設置していない状況で一般社団法人を設立した後で、理事会を設置することもできます。

逆に、理事会を設置した一般社団法人を設立した後で、理事会を廃止することもできます。

ただし、理事会設置の有無は、定款記載事項であり、かつ、登記事項です。

理事会を設置したり廃止したりする場合には、社員総会の決議による定款変更と法務局での変更登記手続きが必要になります。

理事会の招集権者

Q.理事会を招集するのはだれですか?

A.以下の例外を除き、理事会は原則として各理事が必要に応じて招集します。

(1)定款で指定されたものによる招集

理事会を招集する理事を定款で定めた場合は、その理事が招集します。
この場合、招集を担当する理事以外の理事は、招集を担当する理事に対して理事会の目的を示して、理事会の招集を請求できます

(2)招集を担当する理事以外の理事による招集

招集を担当する理事以外の理事が理事会を招集の請求をした日から5日以内に、その請求の日から2週間以内の日を開催日とする理事会の招集通知が発せられない場合には、その理事は自ら理事会を招集できます。

理事会の招集手続き

Q.理事会の招集手続はどうやればいいですか?書面が必要でしょうか?

A.理事会の招集手続きは以下の通りです。

理事会を招集する者は、原則として理事会の日の1週間前までに、理事と監事全員に対して、招集の通知を発する必要があります。

通知の方法には特段の制限はありません。

定款に定めがあれば、その定めに従います。

一応、口頭でも可能ですが、理事会の招集手続に瑕疵があると、理事会の決議が無効になる危険性があります。

トラブルを防止する観点からは、書面等による方法が望ましいでしょう。

理事及び監事の全員の同意があれば、招集手続を省略することも認められています。

理事会の決議

Q.理事会の決議で可決されるための条件は?

A.決議は、原則として議決に加わることができる理事の過半数が出席し、その過半数を持って行います。

「過半数」とは、51%のことです。賛成が50パーセントジャストの場合は理事会の決議は否決になります。

「過半数」の要件は定款で過半数を上回る割合に変更できます。

決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができません。

例えば、代表理事の解職を目的とする理事会に、その代表理事は議決に参加できません。

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