非営利型法人の要件
Q.非収益事業には課税されない「非営利型法人」になるための要件は何ですか?
A.「非営利型法人」は、非営利型法人の中で「非営利性が徹底された法人」・「共益的活動を目的とする法人」という2つのタイプに分かれており、それぞれ要件が異なります。
1.「非営利性が徹底された法人」の要件
(1)その定款に剰余金の分配を行わない旨の定めがあること。
(2)その定款に解散したときはその残余財産が国若しくは地方公共団体又は次に掲げる法人に帰属する旨の定めがあること。
ⅰ 公益社団法人又は公益財団法人
ⅱ 公益法人認定法第5条第17 号イからトまでに掲げる法人
(3)上記(1)及び(2)の定款の定めに反する行為(上記(1)、(2)及び下記(4)に掲げる要件の全てに該当していた期間において、剰余金の分配又は残余財産の分配若しくは引渡し以外の方法(合併による資産の移転を含みます。)により特定の個人又は団体に特別の利益を与えることを含みます。)を行うことを決定し、又は行ったことがないこと。
(4)各理事について、その理事及びその理事の配偶者又は3親等以内の親族その他のその理事と一定の特殊の関係のある者である理事の合計数の理事の総数のうちに占める割合が、3分の1 以下であること。
2.「共益的活動を目的とする法人」の要件
(1)その会員の相互の支援、交流、連絡その他のその会員に共通する利益を図る活動を行うことをその主たる目的としていること。
(2)その定款(定款に基づく約款その他これに準ずるものを含みます。)に、その会員が会費として負担すべき金銭の額の定め又はその金銭の額を社員総会若しくは評議員会の決議により定める旨の定めがあること。
(3)その主たる事業として収益事業を行っていないこと。
(4)その定款に特定の個人又は団体に剰余金の分配を受ける権利を与える旨の定めがないこと。
(5)その定款に解散したときはその残余財産が特定の個人又は団体(国若しくは地方公共団体、上記「非営利性が徹底された法人」の要件(2)ⅰ若しくはⅱに掲げる法人又はその目的と類似の目的を有する他の一般社団法人若しくは一般財団法人を除きます。)に帰属する旨の定めがないこと。
(6)上記(1)から(5)まで及び下記(7)に掲げる要件の全てに該当していた期間において、特定の個人又は団体に剰余金の分配その他の方法(合併による資産の移転を含みます。)により特別の利益を与えることを決定し、又は与えたことがないこと。
(7)各理事について、その理事及びその理事の配偶者又は3親等以内の親族その他のその理事と一定の特殊の関係のある者である理事の合計数の理事の総数のうちに占める割合が、3分の1以下であること。
<注意1>
一般財団法人は理事会設置が義務付けられているため理事が必ず3名以上います。
他方、一般社団法人は理事が2名以下の場合もあり得ます。
この場合には、理事とその親族等である理事の合計数が理事の総数に占める割合は常に3分の1を超えることとなり、非営利型法人のこの要件に該当しないことになります。
つまり、一般社団法人が非営利型法人になるためには、少なくとも3人以上の理事が置かれている必要があります。
<注意2>
理事と一定の特殊の関係のある者とは、次の者をいいます。
ⅰ その理事の配偶者
ⅱ その理事の3親等以内の親族
ⅲ その理事と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者
ⅳ その理事の使用人
ⅴ ⅰ~ⅳ以外の者でその理事から受ける金銭その他の資産によって生計を維持しているもの
ⅵ ⅲ~ⅴの者と生計を一にするこれらの者の配偶者又は3親等以内の親族
<注意3>
上記の2つの非営利型法人の類型に共通する要件として、「特定の個人又は団体に特別の利益を与えることを決定し、又は与えたことがないこと」があります。
次に掲げるような経済的利益の供与又は金銭その他の資産の交付が、社会通念上不相当な場合は、「特別の利益を与えること」に該当する危険性がありますので注意してください。
- 法人が特定の個人又は団体に対して土地等の資産を無償又は通常よりも低い賃貸料で貸し付け
- 法人が特定の個人又は団体に対して無利息又は通常よりも低い利率で金銭を貸し付け
- 法人が特定の個人又は団体に対して資産を無償又は通常よりも低い対価で譲渡
- 法人が特定の個人又は団体から通常よりも高い賃借料により土地等の資産を賃借
- 法人が特定の個人又は団体から通常よりも高い利率により金銭を借り受け
- 法人が特定の個人又は団体の所有する資産を通常よりも高い対価で譲り受け
- 法人が特定の個人に対し、過大な給与等を支給
Q.「非営利型法人」になるためには、行政庁からの認定手続きが別途必要になるのでしょうか?
A.行政庁からの認定手続き等は不要です。
非営利型法人の要件の全てに該当する一般社団法人及び一般財団法人は、特段の手続を踏むことなく公益法人等である非営利型法人となります。
逆に、非営利型法人が、その要件のうち、一つでも該当しなくなったときには、特段の手続を踏むことなく普通法人となってしまうので注意してください。
なお、非営利型法人になったとき又は非営利型法人が非営利型法人以外の法人になったときは速やかに「異動届出書」を税務署に提出する必要があります。
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